タンクレストイレは、スリムで洗練されたデザインと高い節水性能を兼ね備えており、多くの家庭で導入が進んでいます。しかし、タンク付きトイレと比べて初期費用が高くなる傾向があるため、購入を検討する際には「本当にコストに見合うのか?」という点が気になる方もいるでしょう。本記事では、タンクレストイレの導入費用とランニングコストについて詳しく比較し、コスト面でのメリット・デメリットを解説します。まず、タンクレストイレの導入費用について見ていきます。一般的に、タンク付きトイレの本体価格は約5万~15万円程度なのに対し、タンクレストイレは約15万~30万円と、やや高めの価格帯となっています。これは、タンクレスの構造による製造コストの違いや、温水洗浄や自動洗浄などの高機能が標準搭載されているためです。加えて、設置費用もタンクレストイレのほうが高くなることが多いです。タンクレストイレは水道直結方式のため、既存のトイレから交換する場合、水圧の確認や配管の調整が必要になるケースがあります。また、電源が必要なモデルが多いため、トイレ内にコンセントがない場合には電気工事が必要になり、その分の費用がかかることもあります。工事費用を含めると、タンクレストイレの設置には合計で20万~40万円程度かかることも珍しくありません。一方で、ランニングコストを考えると、タンクレストイレは経済的なメリットが大きいと言えます。特に、節水性能の高さが大きなポイントです。従来のタンク付きトイレでは、1回の大洗浄で約10~13リットルの水を使用しますが、タンクレストイレは水流を効率的に利用することで、1回あたり3.8~5リットル程度に抑えられます。これにより、年間の水道料金を約30~50%削減できることが期待できます。また、多くのタンクレストイレには節電機能も搭載されています。便座の保温や温水洗浄を使用する際に、待機電力を抑える「瞬間式ヒーター」や「省エネモード」を活用することで、電気代の節約にもつながります。さらに、自動洗浄機能が付いているモデルでは、トイレ掃除の手間が軽減されるだけでなく、洗剤や清掃用品の消費量も抑えられるため、長期的に見れば維持コストが下がるというメリットもあります。