キッチンの排水口から「ボコボコ」という音が聞こえると、「何か詰まっているのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。この異音は、排水管内の空気の流れがスムーズでないことが原因で発生することがほとんどですが、放置すると詰まりや悪臭、さらには水漏れなどの深刻なトラブルにつながることもあります。 まず、最もよくある原因のひとつが「油汚れの蓄積」です。キッチンの排水管には、料理で使用した油や食品カス、洗剤のカスなどが日々流れ込んでおり、これらが時間とともに排水管の内側にこびりついていきます。こうした汚れが溜まると、排水がスムーズに流れにくくなり、空気の逃げ道がふさがれることで「ボコボコ」という音が発生するのです。特に、冬場は気温が低いため、油が固まりやすく、より詰まりやすくなります。この場合、まずは市販のパイプクリーナーや、重曹とクエン酸を使った掃除を試してみるとよいでしょう。また、40〜50℃程度のぬるま湯を流すことで、排水管内の油汚れを溶かす効果が期待できます。 次に、「排水トラップの異常」も異音の原因となることがあります。排水トラップは、下水の臭いや害虫の侵入を防ぐために水を溜める構造になっていますが、この部分に汚れが詰まると、排水の際に空気の流れが悪くなり、ボコボコ音が発生します。排水トラップの内部は汚れがたまりやすいため、定期的に取り外して清掃することが大切です。特に、シンク下のパイプ部分にあるS字型のトラップは汚れが溜まりやすいので、月に一度は分解して掃除することをおすすめします。 また、「排水管の通気口(ベントキャップ)の詰まり」も異音の原因となることがあります。通常、排水管には空気を逃がすための通気口があり、これが適切に機能することで水がスムーズに流れる仕組みになっています。しかし、長期間清掃をしていないと、この通気口が汚れやホコリで詰まり、排水の流れが悪くなり、ボコボコとした音が発生します。この場合、通気口の清掃を行うことで改善することができます。 もし、これらの対策を試しても異音が改善しない場合は、排水管自体の老朽化や、配管の角度に問題がある可能性もあります。この場合は、専門業者に相談し、高圧洗浄を依頼するとよいでしょう。