浴槽の素材選びでバスタイムは変わる
浴槽を交換する際、デザインや大きさだけでなく「素材」にこだわることで、毎日のバスタイムの質を大きく向上させることができます。浴槽の素材にはそれぞれ特徴があり、価格、デザイン、保温性、メンテナンス性などが異なります。自分のライフスタイルや何を重視するかに合わせて最適な素材を選ぶことが、後悔しないリフォームの鍵となります。現在、最も普及しているのがFRP(繊維強化プラスチック)製の浴槽です。価格が手頃で、カラーバリエーションも豊富なため、多くの住宅で採用されています。軽量で施工しやすいのもメリットですが、他の素材に比べると高級感に欠け、表面に傷がつきやすいという側面もあります。ワンランク上の質感を求めるなら、人工大理石の浴槽がおすすめです。アクリル系やポリエステル系の樹脂を主成分とし、大理石のような美しい光沢と滑らかな肌触りが特徴です。汚れがつきにくく、掃除がしやすいのも大きな魅力です。また、FRPに比べて保温性にも優れています。一方、昔ながらの高級浴槽として根強い人気を誇るのがホーローです。鉄や鋳物の下地にガラス質の釉薬を焼き付けたもので、真珠のような美しい光沢と重厚感があります。熱を蓄える性質があるため保温性が非常に高く、お湯が冷めにくいのが最大のメリットです。ただし、重量があるため設置場所に制約があったり、衝撃で表面が欠けやすいという点には注意が必要です。この他にも、シャープでモダンな印象を与えるステンレスや、木のぬくもりと香りを楽しめる木製浴槽など、選択肢は多岐にわたります。浴槽は一度交換すると十年以上は使い続けるものです。価格だけで選ぶのではなく、それぞれの素材が持つ特性をよく理解し、自分にとって最高の癒やし空間を演出してくれるパートナーを見つけることが大切です。