キッチンは、毎日使う場所だからこそ、排水口から下水の嫌な匂いが上がってくると、料理をする気も失せてしまいます。キッチンの排水口からの下水臭は、いくつかの原因が考えられ、それぞれに応じた対策が必要です。まず、最も一般的な原因は、やはり排水トラップの封水切れです。キッチンシンク下の排水管は、通常S字トラップやP字トラップといった形状をしており、ここに水が溜まることで下水からの臭いを防いでいます。この封水が、長期間水を使用しなかったことによる蒸発や、大量の水を一度に流した際のサイホン作用などでなくなってしまうと、下水の匂いが上がってきます。対策としては、定期的に水を流して封水を補充することが基本です。また、排水トラップ内に油汚れや食材カスが溜まっていると、それ自体が悪臭の原因となったり、水の流れを悪くして封水切れを起こしやすくしたりします。予防法としては、調理油を直接排水口に流さない、食材カスをできるだけ取り除く、排水口ネットをこまめに掃除するといった日常的な心がけが大切です。週に一度程度、**重曹と熱めのお湯(50~60℃程度)**を排水口に流し込むのも、油汚れの分解やヌメリの除去に効果的です。市販の液体パイプクリーナーを使用するのも良いでしょう。さらに、排水ホースと排水管の接続部分に隙間がある場合も、そこから下水の匂いが漏れ出してくることがあります。接続部分に防臭ゴムやパテなどを使って、隙間をしっかりと塞ぐようにしましょう。シンク下の収納スペースが臭う場合は、この接続部分からの臭い漏れを疑ってみる価値があります。それでも匂いが改善しない場合は、排水管の奥深くでの詰まりや、建物全体の排水設備の問題も考えられるため、専門の水道修理業者に点検を依頼することをお勧めします。