内装込みでトイレリフォームを計画する中で、最も創造的で心躍る時間、それは床や壁の色を決める時ではないでしょうか。家の中で最もプライベートなこの小さな空間は、色使い一つでその印象をがらりと変える、まるで真っ白なキャンバスのような場所です。清潔感を出すのか、落ち着ける空間にするのか、あるいは遊び心のある個性的な空間を目指すのか。色の持つ力を理解し、戦略的に取り入れることで、トイレは単なる機能的な場所から、心を満たすお気に入りの空間へと昇華します。 まず、空間全体のベースとなる壁紙の色選びの基本は、白やアイボリー、明るいベージュといった膨張色を選ぶことです。これらの明るい色は光を反射し、狭いトイレ空間を視覚的に広く、そして明るく見せてくれる効果があります。清潔感を重視するなら白が最適ですが、あまりに真っ白すぎると、どこか落ち着かない病院のような印象を与えてしまうことも。少しクリーム色がかったオフホワイトや、柔らかなグレージュなどを選ぶと、温かみが加わり、リラックスできる雰囲気を演出できます。 もし、ありきたりな空間で終わりたくないのであれば、「アクセントクロス」の手法をぜひ取り入れてみてください。これは、四方の壁のうち一面だけを、異なる色や柄の壁紙にするテクニックです。例えば、便器の背面にあたる壁に、少し深みのあるネイビーやチャコールグレーといった濃い色を使うと、空間にぐっと奥行きが生まれ、まるで高級ホテルのようなシックで落ち着いた印象になります。また、ボタニカル柄や幾何学模様など、少し大胆な柄物のクロスも、一面だけなら悪目立ちすることなく、空間の絶妙なスパイスとなります。 そして、壁の色が決まったら、床材とのコーディネートを考えましょう。空間全体に安定感を持たせたいなら、壁は明るく、床はそれより少し濃い色を選ぶのがセオリーです。例えば、白い壁にダークブラウンの木目調の床を合わせれば、コントラストが効いたモダンな空間に。また、壁と床をベージュ系の同系色でまとめれば、統一感のあるナチュラルで優しい雰囲気に仕上がります。小さなサンプルだけで決めずに、できるだけ大きな面で色を確認し、光の当たり方による見え方の違いも想像すること。それが、色選びで失敗しないための最も大切なコツです。