浴槽の交換リフォームにはまとまった費用がかかりますが、条件によっては国や自治体の補助金制度、あるいは公的な保険制度を利用して、費用負担を軽減できる場合があります。知っていると知らないとでは大きな差がつく、これらの制度について理解を深めておきましょう。代表的なものの一つが、要支援・要介護認定を受けている方がいる場合に利用できる「介護保険の住宅改修費」です。これは、手すりの設置や段差の解消といったバリアフリー工事を対象とする制度で、浴槽の交換も「またぎ高さの低い浴槽への取替え」というかたちで対象となることがあります。支給限度額は原則として二十万円で、そのうち一割から三割が自己負担となります。例えば、二十万円の工事で自己負担が一割の場合、十八万円が保険から支給される計算です。利用するには、事前にケアマネージャーに相談し、市区町村への申請が必要となります。次に、各自治体が独自に行っているリフォーム補助金制度です。子育て世帯や三世代同居世帯を対象としたもの、省エネ性能を高めるリフォームを対象としたものなど、自治体によって様々な制度が存在します。浴槽交換が直接の対象とならなくても、「高断熱浴槽」への交換が省エネリフォームの一環として認められる場合があります。これらの補助金は、予算の上限に達し次第、受付を終了することが多いため、リフォームを計画する段階で、お住まいの市区町村のウェブサイトや窓口で情報を確認することが重要です。また、ごく稀なケースですが、水漏れによって浴槽の交換が必要になった場合、加入している火災保険の「水濡れ補償」が適用される可能性もゼロではありません。ただし、経年劣化による故障は対象外となることがほとんどなので、適用条件を保険会社に詳しく確認する必要があります。これらの制度を賢く利用することで、憧れの新しいお風呂を、より少ない負担で実現できるかもしれません。
浴槽交換で利用できる補助金や介護保険